銀行の法人口座を開設するときに、登記上の住所と現住所が異なる場合、どうしたらいいでしょうか。
結論からいえば、登記上の住所でなくても、問題なく口座を開設できます。
登記上の本店と実質的な本社は異なる
大企業の多くは、本社機能を東京・大阪といった都市圏に置いています。業務を執行するうえで、都市部に本社があった方が便利だからです。
しかし、登記上の住所は、創業地である地方のままであるケースが多いです。
一番有名なのはユニクロを運営するファーストリテイリングでしょうか。
- 本社所在地(登記上の本店)は、山口県山口市佐山という創業地にあります。
- 東京本部(実質的な本社)は、東京都港区赤坂(ミッドタウン)にあります。
社長の豪邸も東京にあるので、東京本部で指揮をとっているのは間違いないでしょう。
登記上の本店を動かさない理由は、創業の志を忘れないためだったり、保有不動産の変更登記手続きが面倒だったりと、さまざまな理由が考えられます。
登記上の住所は形式的なものなので、一般的には重視されていません。(登記上の本店住所で郵便物を受け取る必要はあります)
各銀行の対応
法人口座は、登記上の本店でなくても、支店や事業所の住所でも開設できます。
ただし、その住所が実際に使われていることを示す確認資料が必要です。
以下、複数の銀行を調べてみました。
ゆうちょ銀行のケース
「ご持参いただく公的書類等」の項目で以下の記述がありました。
支店又は事業所名等で口座開設する場合は、履歴事項全部証明書に加え、支店または事業所等の住所を確認できる書類(会社の組織図や公共料金等の領収書等)が必要です。
支店で申し込んだ場合は、公共料金等の領収書など、実際に使用されていることを示す資料が必要です。
ジャパンネット銀行のケース
FAQ「【法人口座開設】登記の住所と異なる住所を取引住所として登録することはできますか。」のページで、以下の記述がありました。
補助資料を添えていただければ、ご登録いただけます。
詳しくはビジネスアカウント(法人のお客さま)の口座開設時の本人確認資料についてをご覧ください。
※キャッシュカードとトークンはご登録いただいた住所に送付いたします。(転送不要扱)。
補助資料とは、以下のいずれか1つになります。
- 国税または地方税の領収証または納税証明書
- 社会保険料の領収証
- 公共料金の領収証
上記資料を提出することで、登記住所と現住所が異なっていても、口座が開設できます。
ジャパンネット銀行はスモールビジネスの法人申し込みが多いはずなので、「支店」という言葉ではなく、「現住所」という実態に即した言葉が使われています。
スモールビジネスでは、「本店・支店」というより、「登記住所・現住所」の方が現実的です。
コメント